2022年 石川県公立高校入試【数学】はここをチェックするべき!!
2022年度入試は、新学習指導要領に基づいて行われる最初の入試です。2021年4月から使用が始まった新教科書は従来から大小様々な変化が見られ、そこにはこれまでにはなかった新出内容も含まれます。
2022年度入試からは、これらの新出内容も学習済みの扱いとなるため、入試で出題される可能性が大いにあります。
今回はそのような問題意識をもとに、2022年度入試対策で気をつけておくべきポイントを解説いたします。
まずは数学編です。
新学習指導要領からの出題
新学指導要領で新しく教科書に加わった単元には注意が必要です。
具体的には
・累積度数
・反例
・四分位範囲と箱ひげ図
が新たに組み込まれた内容となります。
これらの内容は移行措置として中1・中2で学習しているはずのものではありますが、コロナ禍の影響などもあり、学校の授業で十分に扱われていない可能性も考えられます。
しかしながら、2022年度入試は、新学習指導要領で学習したことを前提の出題になる以上、これらの単元については十分出題される可能性があると考え、教科書等を確認する必要があります。
“文字での置き換え”がキーワード
新学習指導要領では「活用する数学」に重点が置かれているため、今まで以上に”文字での置き換え”、すなわち「文字による一般化」が重視されています。そのため、この文字による一般化を伴う問題が昨年度入試でもよく出題されています。
例えば「数と式」分野で、文字による一般化を伴う問題とは以下のような問題です。
a<-1、a+b>0の時、次のア〜エのうち常に正しいものを選べ。
(ア) a×b<-1 (イ)b×b<1 (ウ)a÷b>1 (エ)b÷a<-1
これらの問題の正答率は総じて低く、受験生が文字による一般化を苦手としていることが見て取れます。ただ今後の方向性として、こういった力が重視されることは間違いなく、同種の問題については、一定程度の演習量を確保することが求められます。ただし闇雲に問題演習に取り組むのは無意味で、考え方自体をしっかりと理解していくことが求められます。
この基礎的な考え方の理解の重要性は、他の分野の問題でも重要になっており、「速さ」「割合」といった小学生時代に学習済の内容を含めた考え方の確認、復習をする必要があります。
データの活用は要注目!!
新学習指導要領では「データの活用」が重点項目に位置づけられており、これまで中学校で学習した「代表値」が小学校内容に、高校で学習していた「四分位範囲と箱ひげ図」が中学内容となり、前倒しで学習が行われるようになりました。
今年度の入試では、やはりこれまでの「代表値」の問題に新出内容である「四分位範囲と箱ひげ図」が加わった問題の出題が十分考えられます。特に「四分位範囲と箱ひげ図」については、問題演習の絶対量が足りていない受験生も少なくないと思いますので、本番までの間にしっかりと対策を進めると良いでしょう。
出題傾向の大幅な変更もあるかも!? 覚悟しておこう
過去10年分以上の石川県公立高校入試の過去問に目を通していれば、おそらく昨年と同様の形式で出題されるだろうなと思います。
ただ、今年は新学習指導要領による高校入試元年。
何があるか分かりません。
特に、高校入試の問題に影響を与える大学受験の「共通テスト」。
共通テストの試行調査の段階から公立高校入試の出題に大きな影響を与えていただけに、今年度の入試でこの共通テストの影響を受けた内容が出題される可能性は十分あります。特に、共通テストの問題の特徴の1つが「会話形式」。公立高校入試でも近年出題が増加しています。
【会話形式の問題 具体例】
(2021年 岡山県公立高校入試 出典:Resemom)
石川県の公立高校入試ではまだ出題されていませんが、新しいパターンとして出題される可能性がないわけではありません。
こう言った問題は、解き方や考え方が誘導されており、その考え方を把握できればスムーズに解答することができる一方、通常の問題よりも読解力が必要となるため、流れを正確に把握する力が求められます。
同様の形式の問題にいくつか取り組み、万が一このような形式の問題が出題されても、慌てず、焦らず、対処できるよう万全の対策を進めていきましょう。