中3生必見!! 高校受験で合格るための夏休みの過ごし方
「受験の天王山」とも言われる夏休みが近づいてきました。
この夏休みをどのように過ごすかが、約半年後に迫った高校入試の成否を左右すると言われています。
本記事では、約半年後に合格を手にするために絶対に押さえておきたい夏休みの過ごし方のポイントをご紹介します。
夏休みにすべきことは基礎固め
そもそもなぜ夏休みが「受験の天王山」と言われるのかといえば、この期間は学校がないため、自分に必要な勉強に集中できる最大のチャンスだからです。
通常であれば学校に拘束されている時間も、自分がやるべき勉強に充てられるからこそ、自分の頑張りが実力アップに直結する時期とも言えます。
ではこの夏休みにすべことは何か?
これはもう単純で、秋以降本格化する受験勉強に向けた基礎固めです。
そのためにこれまで学習してきた内容の復習を徹底して行いましょう。
ただしここで多くの受験生が行ってしまう失敗として、時間があるからとあれもこれも復習しようと手を出すこと。
一番最悪なのは、自分がすでにできている単元・問題までも、復習の一貫として学習に盛り込むことです。
いくら夏休みがまとまった時間が取れる時期とはいっても、時間に限りがあります。
その限られた中で最大限の成果を導くためには、自分がやるべき課題にピンポイントで向き合う必要があります。
そのためには、事前準備が必要不可欠です。
夏休みに入る前に、夏休みの成否の50%は決まる
夏休みに各教科の基礎固めをするとして、「あなたは各教科で何をしなければならないか?」この問いに答えることができるでしょうか?
大半の受験生は、この自分の課題が明確化されない状態で夏休みを迎えます。
とりあえず復習は大事だろうと、中1〜中3の今現在までの既習単元を一通り復習するという受験生は、この課題が明確化されていない典型です。
例えば中3のこの時期に、中1の正負の数の復習に取り組む意味がある人ってどれくらいいるでしょうか?
さらに付け加えるなら高校入試に出題されるのは、正負の数の簡単な計算問題2問だけ。正負の数の利用の問題など出題されません。それなのに復習だ!! といって、正負の数から順に全てを網羅的に学習している人が多いのなんの。
勉強をやっていないわけではないのですが、やるべきことが絞れていないと確実に無駄が生じます。
そうならないためにも、夏休みに入る前に「自分の現状を把握・分析」しておくと良いでしょう。
学習塾に通っている場合は、先生に相談することができますが、学習塾に通っていない人はこの現状把握・分析をご自身で行う必要があります。
その場合は以下の手順で行うと良いでしょう。
【弱点把握の具体的方法】
① 実力テストの答案を見ながら、自分がどの単元で間違えていたかを整理して行きます。
② さらに「どうすれば or 何がわかれば できるようになるのか」自分なりの考えをメモしていきます。
③ そのうえで、最終的にこの夏に自分は何を重点的にやるべきか、という具体的な行動を考える。(例)数学「1次方程式」
分野 | 時期 | 間違えた内容 | どうすればできたか | 弱点克服のためにすべきこと |
1次方程式 | 中1 冬休み明け実力 | 方程式の文章題(速さ) | 電車が橋を通過する時とトンネルを通過するときの立式の方法 | 1次方程式の文章題、特に速さや割合が関係する問題でまちがえることが多いので、これらを中心に学習する |
中2 春休み明け実力 | 方程式の文章題(割合) | もとにする量が異なる割合の問題での立式方法 |
とにかく客観的に自分の苦手を把握・分析し、自分の学習に活かすべきです。
この課題の明確化をするかしないかが、この夏の学習の成果に大きな影響を与えるということを肝に銘じておきましょう。
教科別 弱点克服の方法
来る高校受験での志望校合格に向けて、具体的にいったい「何」を「どれぐらい」学習すれば良いのか?
ここでは「弱点克服」を目的とした学習法をご紹介します。
英語
英語の基礎を構成するのは「英単語・英熟語」と「英文法」です。
英単語
「英単語」については教科書に登場する英単語を暗記していきます。1週間ごとに何個単語を覚えていくかを決めて、その予定に基づき暗記していきます。
教科書を使った英単語暗記がやりづいらいという方は、英単語のテキストを購入しても良いでしょう。
例えばこの英単語集であれば、高校入試の過去問題を分析して選んだ、頻出単語1800語を「でる順」に配列してあり、重要な英単語を効果的に覚えることができます。公式アプリもあるので、隙間時間を利用して英単語暗記に取り組めるはずです。
教科書 or 上記のような英単語集、いずれを利用する場合でも、時大切なことは、英単語暗記には毎日取り組むことです。
1週間に400単語を暗記するとしたら、毎日その400単語に触れるようにしていきましょう。
英文法
英文法については、闇雲にトレーニングする教材を利用せず、英文法のルールをしっかりと解説してくれる参考書を利用して復習すると良いでしょう。
学校の授業でも「英文法のルール」についてしっかりと解説されずに、パターン練習して問題集等の問題に取り組まされている事例は少なくないようです。
書店で販売されている参考書で、初歩的な内容からしっかりと説明してくれているテキストがありますので、ぜひそちらを活用してください。
よりハイレベルな学習をしたい人は、
このハイステージ 英語 シリーズが(ハイレベル内容ではありますが)非常に良くまとまっていると思います。
数学
数学は既習単元については、基礎問題がしっかりとできている状態を目指して学習を進めていきます。
ここでいう基礎とは「教科書レベル」の問題を指します。教科書に登場してくるような問題に関しては、問題を見た瞬間に解答方針が思いつくまで徹底してやり込むと良いでしょう。
教科書レベルの学習を終えた後は、標準レベルの問題を利用した学習に進みます。標準レベルの問題演習には、チャート式などを利用すると良いでしょう。
国語
国語は読解問題と古典の問題に大別されます。
読解については、ただ闇雲に問題演習をしても効果は薄いですので、このまとまった時間が取れる夏に「読解法」、つまり読解問題の問題にどのように取り組んでいけば良いのかを解説したテキストに取り組むと良いでしょう。
国語指導のカリスマと呼ばれ、ふくしま式国語塾 主宰の福嶋 隆史 氏が中学生向けに書き上げたこちらの参考書では、“読解問題に勝つための着眼点”が豊富な事例とともに解説されており、まずはこの着眼点をしっかり習得したうえで、読解演習にのぞむことが理想的と言えます。
またこれら読解問題の練習とは別に、漢字の練習は日々行いたいものです。
入試問題では必ず漢字の読み・書きの問題が出題されます。ここで失点しては話になりません。
漢字の力は日々の積み重ねですので、少しずつでも良いので、できるだけ毎日漢字の練習に取り組むと良いでしょう。
理科・社会
理科・社会については、今後本格的な受験対策を進めていく上で基礎となる知識事項の習得にこの夏は力を注ぐべきです。
やれ記述問題が多い、資料を読み取る問題が多いなど、石川県公立高校入試の特徴的な傾向を例に、それらへの対応力を高めなければならないという声を多く耳にすると思います。
もちろんそのような形式対策は必要ですが、夏からそれらに取り組む必要があるかと言えば答えは否。
形式対策以前の知識事項の強化こそが、この夏取り組むべきことです。そもそも知識がなければ記述を書くことはできませんし、資料を読み取ることも、さらに読み取った内容を踏まえて考えることすらできないはずです。
知識事項の基礎固めには一問一答系の問題集を活用すると良いでしょう。
夏休みのスケジュールのたて方は!?
夏休み期間を有意義に過ごすために、どのようにスケジュールをたてていけば良いのだろうと考える人は少なくないはずです。
夏休みに入る前に、この夏にすべきことを棚卸しし、いつまでに何をどれくらい終わらせるかをスケジューリングする必要はあります。
ただ、よく学校の宿題にもあるような、1日のスケジュール、例えば朝何時に起きて、何時から何時までは勉強して、といったスケジュールをたてるのは無駄です。
仮に予定していた勉強時間内で、やるべき内容の半分しか終わっていなかったとして、予定の時間が来たからといって勉強をやめるのでしょうか?
勉強を時間で区切る・計るのは大変危険です。
大切なことは、「○時間勉強する」ことではなく、やるべきことをやり切ることです。
毎年、「この夏の勉強時間の目標は400時間!!」 とか、「○○は夏休みに500時間勉強したらしい」と言ったことが、学校や塾の現場で生徒同士、時には先生から話されているようです。
が
大切なことは時間ではなく、何をどれだけやったかです。
この視点を忘れずに、周囲の勉強時間数競争に巻き込まれないようにしましょう。
夏休みに400時間以上勉強していた受験生が、 過去何人も志望校に合格できていない事実があることを付言しておきます。
最後に
今回は高校入試で合格を勝ち取るための、夏休みの過ごし方のポイントを紹介しました。
繰り返しになりますが、自分の課題に向き合い、一つ一つ「できる」領域を広げていくことがこの夏休みの目標です。
そのための方法は、今回紹介した方法だけではありません。
受験生の皆さんには、今回紹介した方法を参考にしつつ、自分自身が一番効果がある方法を見つけ、全力で学習に取り組んでくださいね!