金沢大附属高校入試 傾向と対策【数学編】
金沢大附属高校入試の傾向と対策「数学」編をお送りいたします。
図形の配点比率は高いが…
まず分野ごとの配点比率はこのグラフのようになっています。図形の問題の配点比率が高いですが、その分難易度も高くなっているため、このグラフを見て、「よし図形を重点的に学習するぞ!! 」と早合点してはいけません。
附属高校の場合60点取れていればほぼ合格ラインに乗ることができると言われています。
入試で合格するための鉄則は、「難問ができること」ではなく、大半の人が正解できる問題でミスをせず、できる人が40〜50%程度の問題で確実に点数を積んでいくことです。
昨年度の問題でイメージしてもらおうと思います。
[1] は完璧を狙う(100%正解する、附属を受けるレベルの生徒であればできる)。これで、48点 GET [2] は図形を自分でかいて考えなければいけないスタイルなので、慣れていないとドキっとするかもしれませんが、指示通りかくことさえできれば、(1)は基本的な相似の証明問題。ここは正解しましょう。これで5点GET。合計53点。(2)はとりあえず飛ばして次の問題に行きましょう。 [3]は二次関数の座標幾何問題。(1)と(2)はおなじみの形。「平行四辺形の面積を二等分=対角線の交点を通れば良い」このことさえ知っていれば余裕です。(1)と(2)は完答を狙います。これで10点GET。合計63点
はい、これで目標ラインの60点突破です。
残りは、とりあえずやってみて、解けそうなら解く、解けなさそうなら解かなくてOKです。下手にすべての問題をしっかり解こうとすると、時間がかかりますし、肝心の見直しが手薄になってしまうかもしれません。附属高校の数学は比較的簡単な問題を確実に解いていくことで、十分に攻略可能なのです。
図形問題であまり得点が取れていないような人は、特にこの方針で問題に取り組んでいくと良いと思います。
それでは過去にどのような問題が出題されていたのかをチェックしましょう。
出題内容の文字の色が青色のものは、[1]の小問集合で出題された問題です。
計算関係は、文字式の乗除計算かルートの計算、それに二次方程式の計算が出題されます。また数の性質に関する問題も出題されますが、テキストレベルで標準的な難易度です。昨年は確率や資料の整理からの出題が極端に少ない年でした。今年はもとに戻るのか、これが新しい傾向なのかは関係者以外は分かりません。しかしながら、これらの単元からもよく問題が出題されていますので、チェックしておくと良いでしょ。
連立方程式の文章題は必ず出ると思って良いでしょう。
注目すべきは関数分野です。実は過去6年分さかのぼると、去年初めて2次関数が[1]以外で出題されました。それ以外は2次関数ではなく1次関数の応用問題が出題されていたのです。いわゆる、1次関数の利用に関する問題(動点、給排水、図形の重なり)です。過去の出題内容を踏まえると、やはりこの1次関数の利用はよく確認しておきたいところです。まずはこれらの典型パターンの解法を確認した後、2次関数の座標幾何、2次関数の利用の問題と学習を進めていくと良いと思います。
ぜひ附属対策の参考にされてみてください。