【受験戦略】金沢大附属中学校 合格への道① 「中学受験を知る」
いつも受験生向けの記事が多くなってしまいますので、受験生以外の方向けの記事もアップしていこうと思います。今回は先日新しい受験日でのはじめての入試が行われた「金沢大附属中学校」への合格戦略を考えていこうと思います。今回はその第1回目「中学受験を知る」。中学受験と一言で言っても、首都圏の中学受験と石川県の中学受験はまったく別物といっても過言ではありません。しかし、一般の書店で発売されている「中学受験向け」と書かれた問題集は、首都圏の中学受験を想定しているもの。「違い」を理解しないまま、それらの問題集に手をつけてしまうと…。そうならないために、まずは「中学受験を知る」と題して、首都圏の中学受験と石川県の中学受験の違いを明らかにしていきます。
まったく別物と考えていい
小学4年生ぐらいから塾通いを始めて、小学6年生ともなると、週3回の塾+特訓、夏期講習会は全24日間通い詰め…。これらは首都圏で中学受験をする場合のスタンダードです(上位校受験生であれば、もっと早くから始めています)。
なぜこれほどまでに頑張るか。理由はいくつかありますが、一番の理由は、中学受験の問題は学校の勉強だけをしていては解けないからです。必ず塾の手をかりないといけないからです。つまり、学校の延長上に中学入試の問題がないのです。
ところが、石川県の中学入試問題は、ある程度学校の延長上にあるような問題が多いのです。例えば今年の附属中学校のリサイクルマークに関する問題などは、中学受験寄りというよりもむしろ学校寄りの問題だなと思います。
中学受験といっても、最終的に取り組む問題レベルが違うわけですから、対策もまったく別物になるということをまず知って欲しいと思います。
でも全国偏差値60だよ?
インターネット上には、各中学校の偏差値が紹介されたページがありますね。金沢大附属中学校も掲載されており、全国偏差値60となっていました。偏差値60といったら、全国的に上位校ということになるのですが….。ここにも一つ落とし穴があります。偏差値というのはその母集団がどういった生徒で形成されているかによって、同じ偏差値60でも意味がまったく異なります。そこで中学受験最王手の日能研が発表しているR4偏差値で60のラインを調べてみると、「芝中学校」「明大明治」「高輪」「吉祥女子」などの学校名がR4偏差値60の学校として掲載されています。ところが、先ほど金沢大附属中学校の偏差値60としていたサイトが同じく偏差値60としていた学校はどこかというと「青稜中学校」。日能研のR4で「青稜中学校」の偏差値はいくつかというと49〜50。
何が言いたいかお分かりですね?
偏差値60といえば上位校ですから、それに見合う対策をしないと!と考えてしまいます。書店にある中学受験用の問題集も「上位校向け」といったタイトルがついているものをついつい選ぶと思います。しかし中学受験生だけを母集団としている日能研のような模試データを踏まえれば、金沢大附属中学校の偏差値は49・50ぐらい。つまり、中学受験生全体の標準的な学力があれば十分合格を見込めるということです。その場合「上位校向け」の問題集にあえて取り組む必要はなく、基礎・標準問題を中心に学習する方が良いことがわかります。
繰り返しになりますが、こういった前提知識を持たずに書店に行くと、ついつい難関校向けの問題集に手がのびてしまいます。またそういった問題集を使っているよという生徒さんが必ず現れますので、焦りも出てくるでしょう。しかし、必要のないものをする必要はないのです。そのことをしっかりと認識したうえで、附属入試対策を考えていく必要があると思います。