全国学力調査 中学【数学】分析①
昨日実施された「全国学力調査」。昨日の記事では算数の出題内容をレビューしてみました。実際に受験された読者の保護者様からも感想などをお寄せいただきました。ありがとうございます。本日は中学生の「数学」の出題内容を詳しく見ていこうと思います。
問題A 主として「知識」に関する問題
問題Aと問題Bの違いについて、昨日の記事でご紹介していますので、そちらをご確認ください。
それは問題Aではどのような問題が出題されたかを詳しくみていきましょう。(以下、問題の画像キャプチャーは、すべて、国立教育政策研究所ホームページからの引用です)
簡単な計算問題を中心として構成されています。(4)の問題では、正の数と負の数の意味を問う内容となっています。このような問題を通じて、正の数と負の数の意味を、実生活の場面に結びつけて理解できるようになることが大切であると指摘されています。
文字式に関する問題が出題されています。数量関係を文字式に表すことについては、過去の学力調査でも課題として指摘されていました(正答率が2〜30%台だったため)。そこで、今年も同様の問題が出題されています。その他、等式や不等式の意味に関する問題も出題されました。
方程式の利用とその解き方に関する問題が出題されています。
特に(2)のような、解の意味を問う問題では、過去の正答率を見ても課題が見られています。どうしても普段の勉強を含めて、解法習得を重視する傾向がありますが、まずは基本的な事項のしっかりとした理解が必要だと思います。
作図の問題です。平行移動したり、対称移動したり、回転移動したりできるかどうかが問われました。
空間図形からも問題が出題されています。空間における直線や平面の位置関係を理解しているかどうかを問う問題などが出題されています。(4)の円柱と円錐の体積の関係についての問題は、過去の調査で正答率が30%台であることが複数年あったことから、課題とされていた問題の一つです。
平面図形の基本的な性質に関しても出題されています。特に後半の多角形の外角の性質を利用する問題は、以前から課題とされていたもので、あらためて出題された格好となっています。
三角形の合同条件・図形の性質を記号で表すこと・命題の逆からの出題です。(3)の命題の逆に関する問題は、これまでの出題では見られなかった(と思う…)問題です。実際、国立教育政策研究所のホームページには、
命題の逆にに いて考えることは, 三角形や四角形などの図形の 性質を考察したり、証明したりすることを通して、証明の必要性と意味についての理解を深める際に必要であることから出題した。
とあります。
証明の必要性と意味を理解しているかどうかを見る問題です。
問題はまだまだ続きます。
比例反比例からの出題です。(4)の反比例のグラフから反比例の式を決定する問題は、過去にも出題されていますが、正答率が37%と低かったため、課題となっていました。今回は学習状況の変化を把握するために出題されてようです。
1次関数からも問題が出題されています。グラフの特徴、変化の割合に関する問題などが出題されています。さらにその応用問題が次に出題されています。
これは具体的な事象における一次関数の関係を式に表すことができるかどうかが問われている問題です。
代表値の意味、近似値と誤差に関する問題が出題されています。最頻値を求める問題は過去にも出題されていますが、正答率が50%未満であったため、課題とされていました。
最後は「確率」の問題です。「同様に確からしい」の意味や、「簡単な確率を求めること」に関して課題があったため出題されたようです。
以上、A問題でした。
だいぶ長くなってしまいましたので、「活用」に関するB問題はまた次回にでも記事としてアップしていこうと思います。